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菅内閣 幸先悪く…荒井戦略相の事務所費問題(毎日新聞)

 「政治とカネ」の問題から決別したはずの菅内閣発足直後に浮上した、荒井聡国家戦略担当相の事務所費問題。自公政権下でも度々問題化しており、専門家からは制度上の問題点を指摘する声も出ている。【曽田拓、山田奈緒、藤野基文】

 細野豪志幹事長代理の説明では、民主党は07年分の明細を調査。この年の事務所費約177万円は、携帯電話の料金や郵便代、秘書が選挙応援で札幌へ行った際のウイークリーマンション賃料などを計上していたという。細野氏は記者団に対し「やましいところはない」と強調した。

 事務所費を巡っては、07年に松岡利勝元農相が資金管理団体の事務所を賃料のかからない議員会館に置きながら、事務所費として03〜05年の3年間で約9157万円を計上して問題化。赤城徳彦元農相も、実体がない事務所の所在地として父親宅を届け、10年間に約9045万円に上る経費を計上していたとして批判された。

 専門家からは制度などの問題点の指摘も。政治資金問題に詳しい上脇博之・神戸学院大教授(憲法学)は「既に解散した政治団体とはいえ、疑惑を持たれる事実があることは確か。菅政権は『政治とカネ』の問題をクリーンにすべく鳩山政権から託されたのだから、丁寧な説明が求められる。閣僚への『身体検査が甘い』と言わざるを得ないが、そもそも政治資金収支報告書などからチェックするには限界がある。政治資金の管理方法を根底から見直すべきだ」と指摘した。

 また、日大法学部の岩井奉信教授(政治学)は「松岡利勝元農相の問題が出た時に、同じような事例は改善されたはずだった。『クリーン』を掲げた内閣で、今になって事務所費の話が出てくるというのは残念だ。脇が甘いと言うしかない。今の制度上では、どこまでが問題で、どこまでが許されるのかという点もあいまい。制度を見直す必要がある」と話した。

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「権力」掌握だけが目的だった水と油の「小鳩」関係(産経新聞)

 鳩山由紀夫首相は2日、辞任表明に当たって二人三脚で政権奪取を果たした民主党の小沢一郎幹事長を道連れにした。本来は「水と油」ほどにタイプの違う2人は、権力を掌握するという目的のために相手を必要とし、利用し合ってきた。だが、思い描く理想も好む政治手法もあまりに異質で、互いの足らざる点を補い合う協力関係の破綻(はたん)は起こるべくして起こったように見える。(阿比留瑠比)

  [写真特集]鳩山首相辞任

 ■かつては小沢嫌い

 首相と小沢氏はかつてはともに自民党旧竹下派に所属し、平成5年に同じく「政治改革」を掲げて離党した。そして非自民の7党1会派による細川護煕政権では、首相は官房副長官として、小沢氏は与党・新生党の代表幹事として政権を支える立場だった。

 この間の経緯だけを見ると、2人はもともと深い関係にあったように思える。だが、実際は違う。

 首相より17年も長い衆院議員としてのキャリアを持ち、田中角栄元首相の寵愛(ちょうあい)の下で頭角を現していた小沢氏の眼中に、首相があったかどうかは疑問だ。

 逆に首相には、自民党内では小沢氏より、正面から政策論を戦わせる橋本龍太郎元首相の方を好んでいたようだ。首相の目には小沢氏はむしろ独裁的で非民主主義的な古いタイプの政治家として映っていた。実際、首相はかつて小沢氏をこう批判していた。

 「自分の主張を遂げるために民主主義の基本的原則を超越、無視してきた部分があって信奉者が離れていった」(平成10年4月、産経新聞のインタビュー)

 「いわゆる独裁者の思考なのです。『自自連立』政権が続いて小沢首相が誕生することになれば、『オレは法律だ』『オレに従え』と振る舞われるつもりなのか?」(同年12月、夕刊フジのコラム

 「結局、小沢氏が5年前に自民党を飛び出したのは、派閥内や自民党の権力闘争に敗れて飛び出しただけで、国民にそれを悟らせないために『政治改革』の旗を掲げていただけ」(11年2月、同コラム)

 そして昨年9月の鳩山政権誕生以降、小沢氏はこれら首相の指摘・警告通りの言動をとってきた。政府・与党の一体化を進めてその頂点に君臨し、陳情窓口も自ら率いる幹事長室に一本化した。中国や北朝鮮とみまがう「民主集中制」を敷いたのだ。

 ■ただ権力のため

 首相がこれまで、かつては最も嫌っていた小沢氏の政治手法を黙認・追認していたのはなぜか。首相の実弟の鳩山邦夫元総務相は2日、都内で行った講演でこう述べている。

 「小沢さんがいなければ兄は首相になっていない」

 講演で邦夫氏は、こうも強調した。

 「兄は私に比べれば10倍の権力欲を持っている。権謀術策にもたけている」

 強い権力志向が、首相を小沢氏との連携に駆り立てた。一方の小沢氏に関しては、亀井静香郵政改革・金融相の次の言葉がずばり言い当てている。

 「あの人はね、権力を構築するにはどうしたらいいかってことばかり考えている人だよ」(21年2月、産経新聞のインタビュー)

 互いが欲する権力を手中に収め、さらに強大にするには何が必要か。そこに2人の利害は一致したのだ。

 小沢氏は自由党党首時代の12年4月に自民党との連立を解消して以降、しばらく政治的に不遇をかこっていた。少数野党のトップでは、発信力も影響力もおのずと限界があったからだ。

 そこに手を差しのべたのが民主党代表となっていた首相だった。「数」で大きく後れをとる自民党に対抗し、二大政党政治をつくるためには、小沢氏らを迎え入れる必要があった。

 首相は党内で菅直人副総理・財務相や横路孝弘衆院議長らに相談し、根回しを始めた。そして、民主党は菅代表時代の15年9月、自由党を吸収合併した。

 ■交わらない線

 首相と小沢氏の協力は実を結び、民主党は6年後に見事、政権与党となった。ここまでは思惑通りにことが運んだと言える。

 だが、実際に政権運営に携わると、2人の路線の違いはそれまで以上に浮き彫りとなった。自身の理念にこだわる首相と、選挙対策をすべてに優先させる小沢氏との二人三脚は、次第に歩調が乱れていった。

 端的に表れたのが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題での社民党へのスタンスだった。

 今回、首相が代替施設を現行案と同じ名護市辺野古に建設することを決めたことで、社民党は連立を離脱した。ただ、首相は昨年12月の時点で、いったんは社民党の反対を押し切って現行案を採用する方針を決めていた。それをひっくり返したのが小沢氏だった。

 小沢氏にとっては、社民党抜きでは参院で思うように法律も通せず、参院選でも苦戦するのは自明の理だった。逆に首相は、もともと社民党と組むこと自体に懐疑的だった。

 小沢氏は民主党との合併直前の15年8月、産経新聞のインタビューで将来は社民勢力との連携・合併を進める考えを表明した。

 「社民党票は創価学会の票より堅い。しかも、自民党と同じで地方ほど強い」

 一方、首相は同年9月、毎日新聞のインタビューで小沢氏に反論している。

 「私と違うところはそこだ。政権も取らねばならないが、そのために社民系の勢力が加わることで国民に『あの政党は何を考えているか分からない』と思われたら結果としてマイナス」

 結局、社民勢力に対する姿勢の違いは最後まで埋まることがなく、首相と小沢氏はたもとを分かった。

 首相は辞任表明した2日の党両院議員総会で、北海道教職員組合の違法献金事件で陣営幹部らが起訴された小林千代美衆院議員に対し、「その責めをぜひ負っていただきたい」と述べ、議員辞職を求めた。

 教職員組合とカネの問題をめぐっては、旧社会党出身の輿石東参院議員会長も似たような問題を抱えている。首相の言葉は、小沢氏と一緒に自分に退陣を迫った輿石氏をあてこすっているようにも聞こえた。 

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